『遠近 をちこち』で開催されている
大橋 力「座編みの椅子」受注会のDMを作成しました。
ちなみに今回の依頼は『をちこち』店主からで、作家の大橋さんと面識はない。
『をちこち』の喫茶で座り心地がいい椅子があるなあと思ったそれが
大橋さんの作った椅子だったという記憶がある程度。
でも「なんかいいな」そう感じたくらいでちょうどいいのかもとも思った。
デザイナーとしてそれでその作家さんのDMなんか作れるの、、、
ということになるのかもしれないけれど(制作期間や予算の話は置いておいて 笑)
今回のこの仕事に関しては、僕自身が作家さんのことを知りすぎることは
決して正しいアウトプットには結びつかないなあと考えた。
まず『をちこち』はどんなお店なのか、と尋ねられれば、
“こだわりの強い” 店主のいるお店、とそう応える。
取り扱うものは必ず作品が生まれるその土地を訪れ、
人に会い、自分の目で、耳で、舌で、手で確かめたものを選ぶ。
とにかくそういうことを徹底している。
当たり前だけど、作品、あるいは製品が世に生み出された後
何もしないでそれらが僕たち消費者の手元に届くことはない。
今回のようなDM、WEB、売り場やディスプレイ、ラッピング、
接客といった具合に消費者は『をちこち』のようなお店の世界感や
店主とのコミュニケーションを経て商品を手にすることになる。
受け取る側のイメージはコミュニケーションの仕方によって異なってくるわけだ。
※文章の中で作品、製品が商品に変わったことに気づいていただけただろうか。
このプロセスは「製品」や「作品」が「商品」に変わる重要なプロセスでもある。
今回のDMに関して大事にしたことは『をちこち』店主の感じる大橋さんのイメージ。
この店主の、お店の、フィルターを通して消費者に届けられるイメージを描くことが
考え方のベースにないと、求められる目的地へ着地させるのは難しいだろうと考えた。
前提としてこの受注会で椅子が飛ぶように売れる、とは思っていない。(おい!)
(いや、売れると作家さんや店主以上に喜ぶかもしれないけど 笑)
大事なことは売れる以上に、『をちこち』のフィルターを通して
大橋さんの椅子を知ってもらうこと、作家さんのイメージを届けること。
そしてもう一つは、大橋さんの創る椅子を通して
『をちこち』自身の届けたい想いをお客様に伝える、ということです。
お店は、どんな業態であっても、そこに想い、思想がないと続かない。
この思想を届けることでブランドは育つのだ。
以前、ツイッター(https://twitter.com/ADFAHREN)で
「好きなデザインが正しいデザインとは限らない。
正しいデザインが好きなデザインとも限らない。
ただし好きが “解” に近い場合もあるので見極めは必要。」
こんなことをつぶやいたけど
今回のDMは、クライアントの好き(こうしたいという想い)が
“解” に近いひとつの事例だったのではないかと思います。
ぜひ、二人の創り出す世界観を感じにお店へ足を運んでみてください。
催事は3月いっぱいまで開催していますよ。
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遠近 をちこち
〒770-8040 徳島県 徳島市上八万町樋口266-1
https://www.ochicochi.info