デザイナーは未来を語る

 


 

企業ロゴをデザインする時、デザイナーは未来を語ります。

ただ、それをすぐに証明することは出来ません。

何年、何十年と経って初めて思い描いた未来が正しかったのか証明されるのです。

デザイナーの真価が問われるのは未来。

そしてクライアントは未来を信じ、デザイナーに託す。

そのことを忘れてはいけない、そう思います。



創業時にロゴをはじめとするVIに関わったワイヤーオレンジが来年20年を迎えます。

企業が20年生き残る確率はわずか0.4%。1000社に4社という狭き門なのだそう。

立派に育てていただき、デザイナー冥利につきます。

 



そして経験してきた今だから、ようやく言えることがあります。

デザイナーとして、感性や技術、経験はもちろん必要。

だけど本当に問われるのは人としての想い。覚悟。

 

 


20年前の自分も当然、経験に乏しく
技術や感性は知見を得ながら少しずつ身につけたものです。

今の自分にまだ何か足りないと感じたら


表層のデザインで着飾らないことが大事。

小手先の技術に頼らないことが大事。

何より自分を偽らないことが大事。

誠心誠意向き合えばそれは相手にもきっと伝わるはず。



そうして生まれたデザインは強い。

 

 

だから負けない。
 

 

 


想いを届ける − 大橋 力「座編みの椅子」受注会 DM

『遠近 をちこち』で開催されている

大橋 力「座編みの椅子」受注会のDMを作成しました。

 

 

ちなみに今回の依頼は『をちこち』店主からで、作家の大橋さんと面識はない。

『をちこち』の喫茶で座り心地がいい椅子があるなあと思ったそれが

大橋さんの作った椅子だったという記憶がある程度。

でも「なんかいいな」そう感じたくらいでちょうどいいのかもとも思った。

 

デザイナーとしてそれでその作家さんのDMなんか作れるの、、、

ということになるのかもしれないけれど(制作期間や予算の話は置いておいて 笑)

今回のこの仕事に関しては、僕自身が作家さんのことを知りすぎることは

決して正しいアウトプットには結びつかないなあと考えた。

 

 

まず『をちこち』はどんなお店なのか、と尋ねられれば、

“こだわりの強い” 店主のいるお店、とそう応える。

取り扱うものは必ず作品が生まれるその土地を訪れ、

人に会い、自分の目で、耳で、舌で、手で確かめたものを選ぶ。

とにかくそういうことを徹底している。

 

当たり前だけど、作品、あるいは製品が世に生み出された後

何もしないでそれらが僕たち消費者の手元に届くことはない。

今回のようなDM、WEB、売り場やディスプレイ、ラッピング、

接客といった具合に消費者は『をちこち』のようなお店の世界感や

店主とのコミュニケーションを経て商品を手にすることになる。

受け取る側のイメージはコミュニケーションの仕方によって異なってくるわけだ。

 

※文章の中で作品、製品が商品に変わったことに気づいていただけただろうか。

 

 

このプロセスは「製品」や「作品」が「商品」に変わる重要なプロセスでもある。

 

 

今回のDMに関して大事にしたことは『をちこち』店主の感じる大橋さんのイメージ。

この店主の、お店の、フィルターを通して消費者に届けられるイメージを描くことが

考え方のベースにないと、求められる目的地へ着地させるのは難しいだろうと考えた。

 

前提としてこの受注会で椅子が飛ぶように売れる、とは思っていない。(おい!)

(いや、売れると作家さんや店主以上に喜ぶかもしれないけど 笑)

大事なことは売れる以上に、『をちこち』のフィルターを通して

大橋さんの椅子を知ってもらうこと、作家さんのイメージを届けること。

そしてもう一つは、大橋さんの創る椅子を通して

『をちこち』自身の届けたい想いをお客様に伝える、ということです。

 

お店は、どんな業態であっても、そこに想い、思想がないと続かない。

この思想を届けることでブランドは育つのだ。
 

 

以前、ツイッター(https://twitter.com/ADFAHREN)で

「好きなデザインが正しいデザインとは限らない。

正しいデザインが好きなデザインとも限らない。

ただし好きが “解” に近い場合もあるので見極めは必要。」

こんなことをつぶやいたけど

 

今回のDMは、クライアントの好き(こうしたいという想い)が

 “解” に近いひとつの事例だったのではないかと思います。

 

 

ぜひ、二人の創り出す世界観を感じにお店へ足を運んでみてください。

催事は3月いっぱいまで開催していますよ。

 

 

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遠近 をちこち
〒770-8040 徳島県 徳島市上八万町樋口266-1

https://www.ochicochi.info

 

 

 

 


残したいもの

野村克也さんのニュースを見て、

三浦綾子さんの「続氷点」の一文を思い出した。

 

「一生を終えて残るのは集めたものではなく、与えたものである」。

 

ノムさんもきっと多くのモノを手にしたでしょう。

でもそれ以上に多くのものを残された方でした。

 

それはきっと集めたモノよりも、与えたものの方が大きかったから。

 

 

僕自身は欲しいモノがたくさんあって仕方ないんだけど…笑

それらはあちらの世界には持っていけいないものだ。

でも与えたものは誰かの心の中に残り、引き継がれていく。

 

何を手にしたかではなく何を残せたか。

 

これまでに出会った人、これから出会う人。

 

そして何より子供たちには、父親として何を残したいかを考えながら

向き合っていくことが大切だなと改めて考えさせられた。

 

それは間違いなく自らが集めたモノではないはずだから。

 

本棚のノムさんの本、もう一度読み返してみよう。

 

合掌。

 


カッコいいデザイン


表紙デザイン&ディレクションを担当している
タウン誌 Geen 7月号が発売になりました。

特集は『泊まらなくても食べられる 宿めし』

 

 

 

今回、撮影で訪れたのは旧木沢村の古民家を改装した宿。

足元にある自然の豊かさを感じることが出来た

1時間ちょっとのプチトリップ。

おもいっきり深呼吸したのも本当に久しぶりだったかも。

市内から車で片道2時間近くかかる山の中の宿に
長期ステイをする外国の人が増えているのだそう。

情報源はフェイスブックやInstagramなどのSNS、個人のブログ等々。

一般的な有名スポットやグルメ観光とは違って

その土地の自然や文化に触れることが最高の贅沢で

旅の醍醐味であり、旅の目的であると言う。

 

宿の方にお話を聞いて面白いなあと思ったのが例えば食事。

郷土料理はその土地の生活や文化を知るためには欠かせないオプションのひとつ。

(当然、個人差はあるとして)フランスなど欧州の旅行者の多くは

その土地のものをそのまま受け入れるし、楽しむことを知っている。

そうした背景にはその国の文化と長い歴史も関係しているのだと思う。

で、お国が変われば(あえてどこだとは言わないけど)

味付けが好みでなければ調味料を(わざわざ持って来てる人もいるみたい)

バババッとかけて自分の好みの味に平気で変えてしまう、とか 笑

 

こんな風にお話をしてみると興味深いことが本当に盛りだくさんで。

その土地での出会いや交流もまた旅の醍醐味なんだろうなあと思うのです。

 

 

そもそも、自分たちは何もないと思っているんだけれど

その土地にしかない、その土地だからこその魅力はたくさんあって、

それが当たり前すぎて見えなくなってしまっているのだと思います。

 

 

最近、関わることの多いブランディングのお仕事も

中からでは気づきにくい、見えにくくなってしまっている魅力も

外からの方が気づきやすかったりするものです。

そして改めて気づいた魅力を今度は必要としている人に

どう伝えていくのかも大事なことだと感じています。

 

 

海外の人が日本は魅力的でクールだと言ったことから

はじまった国を挙げての「クール・ジャパン」戦略。

僕自身はそもそも自分で自分のことを「オレたちってクールでしょ」って

言ってる時点で全くクールじゃないと思ってるんですけどね 笑

 

だから、ほんの少し。魅力が伝わるきっかけになるような

さりげないデザインで媒介役としてのお手伝いができれば、

それって実はカッコいいんじゃないかなあと思うわけです。

 

 

 

 


デザインと思い出と


 

祝・高円宮賜杯マクドナルドトーナメント徳島県大会 準優勝!

出場105校中の準優勝。すごい! あ、少年野球の大会の話です。

知ってるのは監督やコーチくらいで子どもは全然わかりません ^-^;

 

息子が所属していた頃にロゴやユニフォーム、団旗、

父兄のウエア類などをデザインしたのがもう10年近く前。

思い入れがあるから卒業して何年も経っているけどやっぱり嬉しい。

 

こうやって何かを残せるって幸せなことです。

 

そしてデザインという仕事がやっぱり好きです。

 

その息子も、もう大学生。

 

今も好きな野球を続けています (●¯ᴗ¯●)

 

 

 

 


アール・ブリュット展について


 

「アール・ブリュット再考2展」が徳島県立近代美術館で開催中です。

※ 同時開催の「第4回 障がい者アーティストの卵 発掘展」は3月3日で終了しています。


アドファーレンでは昨年に続き今年も展覧会の

ポスター、チラシ、サインなど一連のデザインを制作いたしました。

 

今回のアール・ブリュット展はその草分け的存在でもある

「みずのき美術館」の所蔵作品を展示した展覧会になります。

ちなみに美術館のグラフィック全般は菊地敦己さんが担当されています。

 

昨日はみずのき美術館キュレーターの奥山さんのお話しを聞きに行ってきました。

僕自身、仕事を通して関わる中でぼんやりと受け止めていた

障がいとアート、アール・ブリュットという考え方をについて考えさせらる

とても興味深いお話しだったので少しご紹介したいと思います。

 

「アール・ブリュット」を定義することは難しい、と思います。

お話しをお聞きしてそもそもそういう枠組み自体必要なのかということも考えさせられました。

 

アール・ブリュットが「美術教育を受けていない作品」とされる中で

日本画の先生に技術を教えられたみずのきの作り手の作品をアールブリュットという

くくりで見ることに多少の違和感を持つことはあるのかもしれません。

一方で知的障害のある人が作った芸術作品が必ずしも同義語ではないということも

受け取る側としては定義を難解にさせているということもあるのかもしれません。

 

純粋なアート。これ自体、捉え方が難しいですから。

 

ただこれらは受け手の感想であって、障がいを持つ方々と日常を共にする

奥山さんや関係者のみなさんは、作り手である彼、彼女らが

そのことをどのように感じているのかといった別の視点で

とても難しい問題とも向き合っていらっしゃるのだろうと思いました。

 

美術的な価値が障がいを持つ方の背景を含めた作る過程にあるのか、

生み出された作品そのものにあるのか、といった議論もどの視点で見るのか、
関わるのか、その立場や環境でも大きく変わってくる気がしましたし、
少なくともみずのきの作品が障がい者の施設の中で生まれ

技術的にも価値を認められた作品であることを考えれば

もっと広義な、独自の視点で捉えることは出来るのではないかとも思いました。

 

 

様々な課題に取り組みながら過去のアーカイブに加え、
現在は形を変えアートプロジェクトなどを通して活動をされている

みずのきの皆さんの考え方に少しだけ触れることが出来、

とても意味のある時間になりました。

 

 

「アール・ブリュット再考2展 みずのきの色層」

会期は今月10日(日)まで。

入場は無料ですのでお時間のある方はぜひ、足を運んでみてください。
 

 


平成とデザイン

 

仕事ってひとつのスペースが空くと、不思議なもので

その空いたスペースがまた埋まって新しい仕事がはじまります。

重なる時は重なるよね、という “あるある” もありますが

このサイクルもまた実体験として “あるある” だと感じています。

 

ただこれまでのこの循環は受動的で、

大きく器や仕組みが変わることはありません。

今、取り組んでいることは能動的に、自分が思い描いている

ビジョンに沿って意図したスペースを空けるということです。

 

仕事を絞り込んで質を高めることを目的に、

取り組み方を変えていくということです。

 

必然的に、これまでお引き受けしてきた仕事も

お断りをしなくてはいけなくなると思います。

必要だと感じてお声がけいただいていると思うと

心苦しい気持ちはもちろんありますが

もう一段階ステップアップしてフィードバックするために

勇気を持って取り組みはじめています。

 

 

 

2月15日(金)・16日(土)・17日(日)の3日間、

文化の森近代美術館ギャラリーにて

JAGDA徳島の企画展「平成MY BEST DESIGN」が開催されます。

 

僕も会員の一人として3枚のパネル展示で参加しています。

 

「マイベストデザイン」というテーマではありますが

僕としては独立後に携わった仕事の “幅” を見ていただくことで

自分の中の平成デザイン史のまとめとして構成しました。

 

これまでのようにデザインの幅を見せることが入口になるのではなく、

出口において広い領域のデザインが見せられること。

これが次のフィールドです。そのためにさらに加速してまいります。

 

土曜日、日曜日には数時間ずつですが在廊予定ですので、

質問などあれば(なくても 笑)ぜひぜひお声がけください。

 

 

 

 

 


言葉の力とデザイン


 

現在、アートディレクターとして契約を結びブランディングや

デザイン業務のお手伝いさせていただいている高松の扶桑建材工業様。

こちらの倉庫の壁面を使ったサインデザインとその広告展開のご紹介です。

 

すぐ横にはJRが走っていて電車の車窓からはこの倉庫の壁面が大きく目に飛び込んできます。

通常であれば “電車からでもすぐにわかる”ことが広告の条件として考えられますが、

多くが通勤など日常生活の足として電車を利用することが考えられる環境下で

ほぼ毎日のように目にする可能性を考えた時に、逆に一瞬で完結してしまう

コミュニケーションではない考え方もあるのでは、と思いはじめました。

 

素材のひとつとしては、すでに先行して掲げられていた企業の40周年コピーがあり

僕自身、とても魅力的に感じていたこのコピーをもっと深く

コミュニケーションのきっかけに出来ないかという想いがありました。

 

 

今日の自分は、好きか?

10年後の自分は、どうだろう。

ワクワクする未来をご一緒に。

扶桑建材工業株式会社

 

 

そこで言葉のボリュームをあえて大幅に増やし、“しっかり読むことで伝わる広告”

というアプローチを展開することをひとつの方向性としました。


 

 

さらにこの広告は求人広告としてもJR高松駅構内のB1ポスター、車内吊り広告などで展開。

先行していた新聞広告などと合わせて、点と点が繋がってブランドイメージを高めていく

理想的な形として着地することが出来ました。


 

 

僕自身、ここまでコピーを前面に打ち出した広告展開というのは初めてでした。

 

「広告はラブレター」とは使い古された言葉かもしれませんが、

どんな想いを持った人が、どんな未来を想い描いているのか。

こんな時代だからこそ、想いの丈をちゃんと声にすることが出来るって素敵だなあと思うのです。

 

今回は言葉の力とデザインがうまく融合したお仕事になりました(^ー^)b

 

 

 

WORKS_扶桑建材工業 企業広告

 

 

 

 


アドファーレンが大事にしていること

 


組織開発・人材開発、財務などのコンサルティングを行う
『ダイアログソリューションズ』さんの表札看板、名刺などを制作しました。

社名の英字は業務内容から導き出したキーワードをもとに

曲線と直線を同居させたオリジナルのタイプフェイスで作成しています。

 

 

実は今回のご依頼は、「将来のビジョンを共有して
そのために必要なクリエイティブを提供すること」で

ロゴを制作する、というご依頼ではありませんでした。


個人事業主様、個人経営のショップや商品単位でのご依頼など
どんな仕事もまずはお話をお聞きすることからはじまります。

お店をつくる、ブランディングに着手する、商品を売り出す等々。
「こういう時やっぱりロゴって必要なんだろうなあ」となんとなく思っていても、

いざロゴをつくる、デザインを依頼するというとハードルが高く感じたり、

わからないこと、不安なこともたくさんあるのではないかと思います。

良い人材を確保するために会社のブランド力を強化したい。
もっと自社のこと、商品のこと、取り組みのことを知ってほしい。
抱える課題もそれぞれで当然答えはひとつではありません。

 

そうやって、お話をお聞きしていると、今必要なものがロゴではなく
本当はもっと違うアプローチだったりする場合もあります。



アドファーレンが大事にしていることは
“誰に、何を伝え、どのような効果もたらすのか”を常に意識しながら
“最適なコミュニケーション”を提供することです。

当然その中に洗練されたグラフィック表現も含まれますが
それらを活かす導線や仕組み作りも同様に大切なのです。

 

既成概念にとらわれない柔軟な視点で問題解決に取り組むために

トコトン話し、トコトン考え抜き、トコトン楽しむこと。
そうした刺激的かつ有意義な時間を共有することで
私自身も成長し、新しい試みに挑戦し続けたいと思います!

 

 

サイトをご覧いただいてお電話をくださったという今回のクライアント様。

実は以前の職場が同じだった!

というご縁もあって、懐かしい話にも華が咲きました (*´∀`*)

 

 

 

WORKS_ダイアログソリューションズ ツール

 

 

 

 

 


季節を感じる


家と庭を同時提案する住空間設計の会社からロゴマークのご依頼をいただいたのが約1年前。

定期的にこの場所へ足を運び、季節の移り変わりを感じながら

クライアントさんとじっくり向き合ってきました。

 

今日は「新緑が鮮やかになってきました」という連絡を受けての打ち合わせ。

 

ウッドデッキに出ての打ち合わせは屋根があるから雨は全然気にならない…

どころか、庭池や葉にあたる雨の音がとても心地良く、なんとも贅沢な時間に。

 

雨が逆に良かった。そんな打ち合わせになりました。

 

ロゴ設計に取りかかるのはいよいよこれから。

1年を通して積み重ねてきたことをしっかり着地させたいと思います!